ベンジャミンさんの工房へ(2) ― ドイツ出張記 13

ドイツのベンジャミンさんのお宅で
至れり尽くせりのおもてなしをいただいている、イチカワ トモタケです。

すばらしいゲストルームをお借りし、ぐっすりと眠ることができました。

ふと食卓を見ると、かごにたくさんのくるみが入っています。

このかごは、お父さまのレオンさんが作られる「くるみ割りバスケット」です。

じつは昨年、ベンジャミンさんから送っていただき、
弊店の特集展でもご紹介していたものです。
私にとっては馴染みのあるかごでしたが、
実際につかわれている様子を見るのは、このときが初めてでした。

かごにはハンドルが取りつけられていて、その根元にくるみを置き、
持ち手に力をかけて下げると、殻が割れる仕組みになっています。

くるみを割って食べる習慣のない私にとっては、
このかごが日常でこうしてつかわれていることに、どこか新鮮な驚きがありました。

散歩から戻って、今度は工房を見せていただくことになりました。

まず、ベンジャミンさんが、「トモ、これを見てくれ!」と広げて見せてくれたのは、
大きな写真のポスター。

この写真は、私たち市川籠店がはじめてベンジャミンさんに
注文させていただいた完成品を、ご自身で撮影されたものです。

前職で写真に関わるお仕事をされていたと伺っています。

私自身、この写真がとても好きで、
はじめて見せていただいたときの感動は、今でもよく覚えています。

ご本人にとっても、注文品が完成したときのこの一枚は特別なもののようで、
最近はイベントの際にも持っていかれているのだそうです。

そのことを知り、私も胸が熱くなるような思いでした。

ベンジャミン家の三代にわたるかご作りの道は、これからも続いていきます。

写真左下は、お祖父さまのかご、
中央下と左奥は、お父さまレオンさんのかご、
そして、中央の背のたかいかごが、ベンジャミンさんの作品です。

ベンジャミンさんは、こう話されていました。

「私のかごが、ほかのヨーロッパのかごよりも
たかくなってしまう理由はこの材料作りにあります。」

ベンジャミンさんの作られたかごは、
ひとつひとつが丁寧に作られていることが伝わる、
かっちりとした丈夫な仕上がりで、ほかにはない魅力が感じられます。

さて、ほんとうにたのしい時間というのは、あっという間です。
気がつけば、帰国の時間が近づいていました。

ベンジャミンさん親子と。

いつかレオンさんやベンジャミンさんの生まれ故郷、
フランスの町を訪ねてみたいと思います。

最後は、ベルリン駅から高速鉄道ICE(イーツェーエー)に乗って、
フランクフルト空港へ向かいます。

早朝4時過ぎにベルリン駅を出発するICEに乗るため、
ベンジャミンさんがわざわざ予約の手配をしてくださり、
さらに夜中の2時に起きて、車で駅まで送ってくださいました。

そのご厚意には、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。

ベンジャミンさん、レオンさん、そしてご家族の皆さま、
ほんとうにありがとうございました。

Benjamin, Léon et toute votre famille, merci du fond du cœur.

Benjamin, Leon und Ihrer Familie – vielen Dank von Herzen.

これで、私のドイツの旅は終わりですが、
「ドイツ出張記」は、あとすこし、つづきます。

よろしければお付き合いくださいませ。

つづく

*ベンジャミンさんのかご作りや初めてお会いしたときのことについては
こちらのジャーナルをご覧ください。

出逢い /ドイツの作り手・ベンジャミンさん (前編)

ヘーゼルとやなぎのかごに魅了されて /ドイツの作り手・ベンジャミンさん (後編)